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対抗して作ってみた。

4枚カード問題のわかりにくさ

心理学的な話。

くねくね科学探検日記地頭は存在しない(その1) に、日常的なことには推論がしやすい、という例として以下の話が乗っている:

4枚カード問題というのは、

 机に「A」「K」「5」「8」と書かれた4枚のカードが並んでいる。  この4枚において「カードの片面に母音(A、E、I、U、Oのどれか)が書いてあれば、裏の数字は必ず偶数」という法則が成り立っていることを確かめるには、最低限、どのカードをひっくり返せばいいだろうか?

という問題と、

片面に酒を飲む人とお茶を飲む人の絵が描かれ、その裏にはそれを飲む人の年齢が印刷されている。そんでもって、「16歳」「40歳」「お茶を飲む人」「酒を飲む人」の4枚のカードがあるとしよう。このカードが「18歳未満の飲酒は禁止」というルールに違反していないかどうかを調べるには、どのカードを裏返せばいいか。

という二つの問題を比べると、論理構造は全く同じなのに、後のほうが圧倒的に簡単ってものだ。

でも、これは日常的だからわかりやすいんじゃないんじゃないか。論理構造が (脳みそにとっては) 違うだけじゃないか。 例えば、最初の4枚カード問題を以下のようにしてみる:

 机に「A」「K」「5」「8」と書かれた4枚のカードが並んでいる。  この4枚において「母音(A、E、I、U、Oのどれか)のカードの裏の数字は奇数であってはならない」という法則が成り立っていることを確かめるには、最低限、どのカードをひっくり返せばいいだろうか?

こうすれば、正解の「A」と「5」を出すのが簡単になるのでは。実際に実験したわけじゃないので確信はないけどそういう気がする。いや、俺がこの問題を考えすぎて変になってるかもしれないけど。

つまり、日常的な問題だから考えやすいんじゃなくて、ルールが否定形 (「してはならない」) だからわかりやすいんじゃないか。抽象的な問題でも、そう考えればきっととけるのでは。

あと、個人的な感想として「母音のカードの裏の数字は奇数ではない」というルールにすると、また少しわかりにくくなる気がする。要は人間は「してはならない」という禁止の形に素早く反応するようにできているのかもしれない。

ここらへん、実験した人いないのかなあ。