スマホUI考
友人の有野くんが YouTubeでスマフォの UXについて一席ぶっていたので考えた。
UXにそんなに工数かけてたっけ?
彼いわく、正しいスマフォアプリは90%ぐらいの工数をUXにかけると。まあ、これは彼の煽りも入っているんだろうけど、正直そこまでの感覚がない。
自分が Google Mapsを作っていた時の感覚を考えると、UXの調整 (どうやって点線を位相を揃えてうまく表示するかとか!) も時間使ったけど、非同期処理とか機種ごとにアイコンサイズを調整するためのプロトコルに時間がかかった。
というか、ここらへんの処理までも有野君は UXに入れているんだろうか? もし、そうだとすると考えてみれば自分の仕事は確かにほとんど UXだった気もする。
Googleでは当然、そこらへんが重要だという知識が最初から蓄積されているので、最初の設計段階から考慮に入れている。よって UXをやっているという感覚はなかった。ちなみに、地図本体のレンダリングに関しては、そもそも調整に時間がかかるという前提でスケジュールが組んであった。凄腕のプログラマのチームをもってしても遅れがちで、自分はやきもきしてた気がする。
G社以前で仕事をしていた組み込み系でも当然そういうのは考えていたけど、でもそんなにうまくなくて、有野君のいう「QAなにやってんだ」レベルのものを出してしまったのもあって申し訳ない。まあ、でも今ほど期待値も高くなかったからよかったのかなあ。
異常系とか
あと、最初に考慮するので面倒なのが異常系および復帰処理。
今作っている 自動アップデート機能 もそこらへんがややこしくなってしまって、面倒くさいなあと思う反面、ちゃんと作れたのは組み込み系のころの経験がものをいってるなあ、という気がする。
Webアプリはそこらへんが楽で、最後の手段としてユーザにリロードボタンを押してもらうという逃げがある。サーバからデータを取ってきて0からはじめることになる。羨ましい。
ここらへんも設計時にちゃんと洗い出す文化なら UXの増大にはならないけど、非同期処理とかを増やすたびにその失敗のケースは増えるわけで、あとから調整すると大変なことになるのは確かだろうなあ。
Webはそんなに楽なままなの?
対比として Webアプリがあげられているけど、じゃあ、なんで WebアプリのUXがそんなに楽なんだろう。HTML5でモバイルのアプリも作れば楽なのか。PhoneGapでガワを被せて配ればいいのか。
きっとそうじゃないんだろう。HTML5で作っても結局、前提となるもの (それなりに広いモニタとか、安定したネットワークとか、画面幅の差異とか、所詮Webだという期待感とか) がなくなれば同じような苦労をするようになるんだろう。そんなに楽な話があるわけがない。
というのは、Javaに慣れ親しんだ自分のポジショントークもあるけど。
まて次号
でも、有野君の話はまだつづくので、そういうことを言ってるのじゃない可能性も十分ある。話が終わるまでもう少し見てみよう。